帝人は、インドとロシアに駐在員事務所を7月1日に開設し、グループとして市場開拓に乗り出すことになった。具体的な事業展開は未定だが、両地域では医薬医療の市場でも注目されており、ロシアについては数年後の医薬品の委託販売展開も検討していることから、医薬医療事業の展開も想定しているものとみられる。
帝人は、日米欧亜での事業開拓、展開、各事業の相乗効果を狙うグループマーケティングの強化に取り組んでいる。その中でインド、ロシアは「著しい発展が見込まれる」と判断。両国に駐在員事務所を開設し、具体的なビジネスチャンスを探ることになった。
同事務所では、社会や市場の動向、法規制などを調査をはじめ、グループ各事業の市場可能性、相乗効果、事業の立ち上げの支援を行うとしている。
拠点は、インドはニューデリーに、ロシアはモスクワにそれぞれ設置し、駐在員1人、スタッフ2人を置く。
また、同日には中国現地法人「帝人管理(上海)有限公司」を開設し、中国内で展開している各事業の統括やマーケティング活動を強化することになった。ここにも駐在員1人、スタッフ2人(増員予定)を配置する。今ある上海と北京の事務所は残す。
今回の海外拠点の強化が医薬医療事業にどう関わってくるかは明確ではないが、帝人ファーマは、医薬品について中国では委託販売体制から、来春にも自販体制に切り替える方針であり、中国での事業を前進させることになった。また、数年後をめどにロシアでの委託販売を計画している。これら事業の立ち上げも駐在員事務所、中国現地法人と連携して進めることになるとみられる。