富士フイルムは、乳癌の検出をコンピュータで支援する「FCRデジタルマンモグラフィCAD」(MV‐SR657)を新発売した(写真)。乳癌検診時に撮影されたマンモグラフィ画像をコンピュータが解析することで、読影医の診断を支援する。国内メーカーでマンモグラフィCADを発売するのは初めて。
マンモグラフィ画像を正確に読影し、乳癌を診断することは極めて難しい作業といわれる。それだけ乳癌の診断には、読影医の熟練が求められるが、人間が行う作業だけに見逃す可能性もある。
今回登場した「FCRデジタルマンモグラフィCAD」は、乳腺構造が発達している日本人女性の特徴に対応。約3000例の豊富な画像データをもとに、独自の検出アルゴリズムを開発し、微小石灰化や腫瘤など乳癌の特徴を示す部位の高い検出率を実現すると共に、それぞれの部位をワンクリックで簡単に拡大表示できるのが特徴。このシステムを活用することで、コンピュータによる解析結果と読影医の診断を比較することが可能となる。
乳癌検診の受診率は、米国では65%以上に上っているが、日本では17%にとどまっているのが現状だ。これまでのデータから、「FCRデジタルマンモグラフィCAD」は、乳癌の80%以上を検出する精度とされており、今後、検診受診率が向上すれば、CADの支援による早期発見の増加が期待される。
既に日本ではR2社をはじめ、米国からCADが輸入販売されている。標準価格は、FCRデジタルマンモグラフィCAD「MV‐SR657」一式2000万円(税別)