福岡県は、2008年度の診療報酬改定でジェネリック医薬品(GE薬)の使用を原則とする処方せん様式の再変更が実施されるのを前に、県独自のGE薬採用マニュアルを作成し、3月をメドに県下の全医療機関、保険薬局全てに配布する。4月以降、GE薬の使用増加が見込まれる中、薬局店頭などでの患者に対するGE薬採用理由の説明などで、同マニュアルの活用を促していく考え。同時に県、県医師会、県薬剤師会連名のGE薬啓発ポスターを1万部作成・配布するなど、県民に対するGE薬啓発活動も実施する。
採用マニュアルは、富山県が06年にまとめた「ジェネリック医薬品採用マニュアル」(編集:富山県厚生部くすり政策課)をもとに作成。県独自のアレンジを加えて簡潔化した内容となっている。県が今年度から実施しているGE薬使用促進事業の一環で、医療機関や保険薬局がGE薬採用に用いる統一的選択基準として示したものだ。
内容としては、▽品質▽情報収集・提供体制▽供給・リスクマネジメント””の3項目について、GE薬採用時に重視すべき点をGE薬評価表として記載している。この評価表では第1レベル(必須項目)と第2レベル(任意項目)の2段階に分けられ、第1レベルは必ず評価すべきものとし、第2レベルは参考的に第1レベルを補完する形にしている。
評価項目は大、中、小に再分類され、評価方法は「優れている」「普通」「劣っている」の3段階。第1レベルの項目で一つでも「劣っている」に該当した場合は、原則、不採用とすべきとしている。
同評価方法の中の情報収集・提供体制については、▽学術部門がない▽緊急連絡体制が整備されていない▽ホームページが開設されていない””などが、また供給・リスクマネジメントでは、▽製造中止対応が直前または同時▽1カ月以上のメーカー在庫対応がない▽納入可能日が不定””などが不採用に当たる。また、採用後、一定期間を経た後、継続使用を検討するための採用後評価項目も記載されている。
福岡県では、昨年8月「福岡県ジェネリック医薬品使用促進協議会」を発足させ、県下でのGE薬使用促進に向けた協議を進めているが、今回の採用マニュアルや啓発ポスターの作成はその事業の一環。また、同協議会ではGE薬の品質面での信頼性を担保するため、流通段階の製品を抜き取って試験検査機関で溶出試験を実施し、先発品データとの比較検討を行うことも決定している。
- 福岡県がジェネリック医薬品の動向を調査‐「変更可処方せん」は11%
2006年12月04日