福島県立医科大学は、抗腫瘍効果が強く半減期の短いα線を放射する放射性核種「アスタチン211」(211At)を製造できる中型サイクロトロン「MP-30」の稼働が成功し、211Atを抗体やペプチドなどにリンカーを用いて結合させ、癌細胞を選択的に破壊する放射性同位体(RI)内用療法としての実用化を目指す。今後は211AtのRI内用療法に関して、年内に動物を用いた非臨床試験、2020年までにヒトに投与する医師主導第I相試験を実施する計画だ。同大学附属病院臨床研究センター病院教授の稲野彰洋氏は、「211Atを用いたRI内用療法を一刻も早く患者に利用可能な状態にできるようにがんばっていきたい」と意気込みを示した。
福島県立医科大学は、放射線医学研究の国内最先端の拠点で、放射性核種の製造に用いる加速エネルギーの異なる小型・中型サイクロトロンを2台保有し、今回稼働したα線を放射する放射線核種を製造可能な中型サイクロトロン「MP-30」を保有する日本唯一の医療機関となっている。
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