4月の薬価改定で、これまで同一薬価とされてきた同一メーカー・同一成分、同一剤形区分・同一含量でも、剤形違いによって薬価が同一ではなくなった「薬価分かれ」が、全体の75%のケースで生じたことが、日本製薬団体連合会の保険薬価研究委員会の調べで分かった。
薬価分かれは、個別銘柄の実勢価を薬価へ反映させることの徹底を、業界側が厚生労働省に要望し、それに応じた結果として生まれた現象。薬価研によると、同一メーカー・同一成分・同一含量などであっても、内用ではカプセル剤と錠剤、外用では軟膏とクリームなどの間で、従来の慣例とは異なり、円未満のレベルで価格差が出現した。
薬価研の調べでは、昨年8月の段階で同一薬価は406ケースあったが、今回の改定ではそのうち303ケースが薬価分かれとなった。
同一薬価とならなかったため、業界には混乱があったといわれる。薬価研は「困っている企業もあるかと思うが、大多数は困るまでいっていないのが現実のようだ」と見ている。ただ、「事前に説明のない唐突な内示は、ヒアリングなどに不要な時間を割くことになり、このような運用の変更は、少なくとも事前に知らせるなどの配慮がほしかった」としている。