昨年9月に発足した一般社団法人日本精神薬学会は3月から「向精神薬減量ガイドライン」(仮称)の策定に着手する。日本特有の向精神薬の多剤大量処方を改善すべく、病院や薬局の薬剤師が主体的に処方の適正化を医師に提案できるように、減薬や減量の具体的な手順を盛り込んでいく方針。策定にあたって、不足するエビデンスを新たに構築することも想定しており、作業は数年がかりになる見通しだ。
向精神薬の多剤大量処方は死亡リスクを高めたり、生活習慣病の発症や悪化を促進したりするほか、医療費の増加にもつながるとして問題視されてきた。その適正化を図るべく国は2014年以降、抗精神病薬や抗うつ薬、睡眠薬、抗不安薬の多剤併用がなされた場合に診療報酬を減算する仕組みを導入。こうした使用制限も影響し、改善に向けた医療者の意識は次第に高まっている。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。