医薬品開発受託機関(CRO)が国内の医療機器開発で新市場を開拓しようとしている。日本CRO協会の2015年会員社総売上高のうち医療機器開発受託が占める割合は2%程度に過ぎないが、医療機器メーカーも開発パイプラインを充実させつつあり、CROへの外部委託比率が高まっている。医薬品開発の外部委託市場が成熟化する一方で、CROにとって医療機器は成長余地が大きく、再生医療等製品と同じく新たな事業の柱として、受託拡大に向けた基盤構築を急ぐ。
医療機器開発をめぐっては、「十数年前の医薬品開発の状況によく似ている」(パレクセル・インターナショナル)という。M&Aが加速し、各メーカーが特定の領域へ特化してパイプラインを強化すると共に、人員のスリム化やコスト削減の需要が高まり、固定費を抑えるための外部委託比率が高まっている傾向だ。国内では薬事法が改正され、薬機法となったことや、医薬品医療機器総合機構の審査体制が強化されるなど医療機器開発を後押しする環境が整いつつある。そんな中、CRO大手では薬事コンサルティングから臨床試験、製造販売後までのサポート強化の準備を進めている。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。