武田薬品は、米アリアド・ファーマシューティカルズを総額54億ドル(約6260億円)で買収すると発表した。2月末に手続きを終える予定で、重点領域に位置づける癌領域の強化が大きな狙いだ。アリアドが非小細胞肺癌(NSCLC)で米国申請中のALK阻害剤「ブリガチニブ」を獲得し、固形癌市場にも参入する。大型品が特許切れした“2010年問題”を背景に、08年に米ミレニアム、11年にスイスのナイコメッドという大型買収を仕掛けた後、ここ数年は非重点事業の売却、他社提携を重視した開発戦略を進めてきたが、アリアドが持つ抗癌剤獲得を大きな事業機会と捉え、再び巨費を投じた。
アリアドは、1991年に設立された米国マサチューセッツ州を本拠とする抗癌剤を主体とした製薬企業。現在、慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病を適応とした抗癌剤「アイクルーシグ」を米国で発売しており、16年売上は約1億8000万ドルを見込む。
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