武田薬品は、排卵日予測検査薬の「ハイテスターH」(第1類医薬品)および妊娠検査薬「ハイテスターN」(第2類医薬品)を、それぞれ昨年末から新発売し、一般用検査薬市場に新規参入した。同社では「今回の新製品も含め、市場拡大の可能性を考えると一般用検査薬は非常に期待しているカテゴリー」(魚住明広コンシューマーヘルスケアマーケティング部マーケティンググループマネジャー)と捉えており、発売と同時に新ブランドサイト(http://hitester.jp)を開設し、近く放映予定のTVCMをはじめ、雑誌、ウェブ、店頭プロモーションなどを通じて幅広く情報提供活動を展開していく考え。
一般用検査薬ではない妊娠診断補助試薬や排卵日検査薬については、これまで医療用体外診断用医薬品として薬局でのみ販売されてきた。このうち尿中LH(黄体形成ホルモン)を捉える排卵日予測検査薬は、昨年11月に第1類医薬品として3社(ロート製薬、ミズホメディー、アラクス)が承認を取得したことで、1991年に妊娠検査薬がOTC化されて以来、25年ぶりの一般用検査薬として登場することとなった。
武田薬品では一昨年9月に、体外診断用医薬品メーカーのミズホメディー(本社佐賀県鳥栖市)と一般用検査薬に関する包括的提携契約を締結し、昨年春には妊娠および排卵日予測検査薬の売買基本契約を締結するなど、製品化の準備を進めてきた。これに基づき今回、ミズホメディーが製造販売する排卵日予測検査薬、妊娠検査薬を同時発売し、一般用検査薬市場に参入することとなった。
新ブランド「ハイテスター」のネーミングは、ハイ(高度)+テスター(検査者)の造語で、「この2語の組み合わせにより、判定の分かりやすさ、初めてのお客様でも簡単に検査できることを表現した」(同社)という。
排卵日予測検査薬「ハイテスターH」は、尿中に排出されるLHを検出することで、妊娠しやすい排卵日を自分で簡単にチェックできる。独自技術によるトリプルライン検出法を採用しており、色の濃淡ではなくラインの本数で判定するため、排卵日のサインがひと目で分かるのが特徴。税別希望小売価格は5回用2580円、10回用4380円。
そして妊娠の結果は、妊娠検査薬「ハイテスターN」で確認できるので、シリーズでの使用が望まれる。同品は尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を検出するもので、99%以上の正確さで1分から判定でき、朝昼晩いつでも検査することが可能。税別希望小売価格は1回用800円、2回用1200円。
武田薬品では昨年、子供がいない25~39歳の既婚女性1029人に調査したところ、約7割が出産意向を示し、これら赤ちゃんが欲しいと願う女性(745人)の8割近くが「1年以内に欲しい」と回答。また約半数が“妊活”に取り組んでいることが分かった。一方で、妊活しているという女性(446人)の悩みのトップは「本当に妊娠できるか不安」という心理的側面で、これに「排卵日が分かりにくい」「基礎体温を測るのが面倒」という回答が上位を占めた。さらに妊活女性の7割が、排卵日検査薬の存在すら知らなかった。
同社マーケティング部では「現状の妊娠検査薬は避妊具と一緒に並べられるなど、女性がアプローチしにくいことが多い。とにかく明るく、ハッピーになれる売場づくりを目指し、排卵日予測検査薬と妊娠検査薬のセット展開での店頭アプローチに注力。調剤コーナーにも置きやすい各種店頭ツールを豊富に用意し、店頭展開をバックアップしていきたい」とする。さらにブランドサイトでは妊活時期だけでなく、妊娠が分かった場合の受診から出産・産後までの未来予定をイメージできるツール(オリジナルカレンダー)も制作していくという。