厚生労働省健康局長 福島靖正
感染症対策については昨年、ジカウイルス感染症が中南米を中心に流行し、また、国内では麻しんの集団発生がありました。国を超えた、かつ国内での徹底した感染症対策が必要になります。様々な感染症が発生しますが、引き続き、感染症に関する正しい知識と予防接種などの予防策を国民に普及啓発するほか、感染症発生時に迅速かつ適切な対応が取れるよう対策に万全を期していきます。
薬剤耐性(AMR)対策については、昨年4月にアクションプランを策定し、抗菌薬の総使用量を5年間で3分の2に減少させることを目標に掲げました。
その達成に向けて、国民への普及啓発による適切な服薬の推進や、医療従事者の診断・検査・処方能力の向上等を通じた抗菌薬適正使用の推進といった取り組みを、ワンヘルスの観点から、関係省庁と連携して進めていきます。
がん対策については、「がん対策加速化プラン」に基づき、「予防」「治療・研究」「がんとの共生」を柱として、着実に取り組みを実施していきます。昨年12月に希少がんや難治性がんの研究促進、がん患者の就労支援等を内容とするがん対策基本法が改正されました。
また、今夏をメドにゲノム情報等に基づく個人に最適化されたがん医療の実現に向けた取り組みを着実に進めるがん克服のための構想を策定します。
さらに、第3期がん対策推進基本計画を本年6月に策定する予定です。こうした取り組みにより、さらなるがん対策の推進を図っていきます。
生活習慣病対策については、「健康日本21(第2次)推進専門委員会」にて、健康寿命の延伸や健康格差の縮小をはじめとした「健康日本21(第2次)」の目標項目の進捗を確認し、着実に推進するため、すべての目標について中間報告に向けた取り組みを行い、最終的には2022年度までに「健康日本21(第2次)」の目標が達成できるよう取り組みを推進していきます。
予防接種施策については、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、ワクチンの有効性・安全性の検討を行うなど、総合的かつ計画的に推進していきます。昨年10月からB型肝炎ワクチンの定期接種化を開始しており、引き続き円滑な定期接種の実施に向けた取り組みを推進していきます。