医薬品基準も満たす
王子ホールディングスは、薬用植物「甘草(カンゾウ)」の栽培研究で、日本薬局方に定める薬効成分含量(グリチルリチン酸含量2.0%以上)を満たす短期栽培技術を確立したと発表した。甘草は中国からの調達に頼り、将来の安定供給が危惧されている。同社では、通常播種から収穫まで5~6年かかる栽培期間を2年に短縮することに成功した。今後、グリチルリチンの含有量に加え、収量を上げるための研究開発を進め、漢方薬原料などでの事業化を目指す。
甘草をめぐっては、漢方薬の約7割に使用されるほか、化粧品や食品、雑貨等で幅広く使用されている一方、ほぼ全量が中国からの野生品輸入に依存し、中国では輸出規制の対象となっている。
王子HDは製紙業大手で、2013年に医療植物研究室を設立し、薬用植物の新規ビジネスに乗り出し、甘草をはじめとした薬用植物の栽培研究に取り組んでいる。
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