川崎二郎厚生労働大臣は8日、医療制度改革法案を審議している参議院厚生労働委員会で、ジェネリック医薬品(GE薬)の普及に触れ、「国民の理解を進めることが最も重要」との認識を示した。またGE薬企業に対しては、安定供給の確保、情報提供の充実、医療上必要な規格の収載といった面で、「もう少し努力が必要だと思う」と述べた。福島みずほ議員(社民党)の質問に答えたもの。
福島議員は、「日本ではGE薬の普及が、まだまだ進んでいない。さらに積極的な使用促進策を望む」と指摘した。
それに対して松谷有希雄医政局長は、「わが国の医薬品市場におけるGE薬のシェアは、諸外国に比較して低い」と認め、その要因として「GE薬企業が医療関係者の信頼を獲得できていない」「医師が先発医薬品の商品名で処方するため、患者がGE薬を選択しにくい」などを挙げた。
特に、GE薬企業が医療関係者の信頼を獲得できていない理由としては、▽医療機関等からの注文に対し、速やかに納品できない場合がある▽医薬品企業に求められている副作用等の情報提供が、医療関係者から見て不十分と捉えられる場合がある▽繁用規格のみが供給され、多様な患者に対応できない場合がある――などが指摘されていると述べた。
松谷氏は、「GE薬について安定供給の確保、情報提供の充実、医療上必要な規格の収載などを徹底するよう業界を指導すると共に、診療報酬改定で医師が発行する処方せんの様式を変更し、後発医薬品への変更を可とする署名欄を設けた」と、状況改善を図るために厚労省が行っている対応策を説明。
「こうした取り組みを通じて、医療関係者のGE薬に対する信頼性を高めると同時に、患者がGE薬を選択しやすくする環境を整備して国民の理解を深め、普及を促進したいと考えている」と語った。