厚生労働省保険局が発表した2006年度の保険医療機関などに対する指導・監査実施状況によると、2薬局が保険指定の取り消し処分を受けた。いずれも以前に保険登録が取り消された薬剤師が調剤し請求したケースだった。
不正請求などを働いた医療機関・薬局に対する返還請求額は、7億円余り減の約53億4000万円(指導による返還約25億8000万円、監査による返還約27億6000万円)。減少したのは、05年度までは医師の名義借りによる大規模事案があったことが主な要因。
そのうち、薬局に対する返還分は約2億0200万円(指導、監査別は非開示)だった。不正内容が悪質だった東京都の「あすなろ薬局」と、神奈川県の「アスカ薬局」の2軒が保険指定を取り消された。
保険局によると、いずれも以前に保険指定(登録)が取り消された薬局、薬剤師が、薬局を譲渡後も薬剤師が引き続き保険調剤を行い、請求したもの。返還額は現在精査中。
そのほか、医科、歯科の保険指定(登録)の取り消しは、医科は15施設17人、歯科は19施設24人で、薬局を含め計36件41人だった。取り消し事案の発端は、医療費通知を見た患者や保険者からの通報が24件と半数以上を占めた。
指導・監査の実施件数は次の通り。
個別指導(3334施設6963人):医科1152施設4299人、歯科1065施設、1241人、薬局1117件、1423人
監査(124施設297人):医科76施設190人、歯科41施設92人、薬局7施設15人
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