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新薬剤師養成問題懇談会(新6者懇)が8日に厚生労働省で開催された。各団体が現在までの取組状況を報告したほか、オブザーバーとして参加した薬学教育協議会から、長期実務実習における大学と病院・薬局の契約に関連して、病院・薬局等における研修等の誠実な履行、個人情報保護、病院や薬局の法人機密情報の保護に関する説明文書や誓約書、学部学生の病院・薬局実習に関する契約書のひな形などが示された。
薬学教育協議会が示した説明文書は、大学のカリキュラムとして行われる病院・薬局等における実務実習で学生が遵守すべき事項のうち、特に研修等の誠実な履行と、その過程で学生が取得した個人情報の保護、病院・薬局等の法人機密情報の保護に関するもの。
内容を見ると個人情報の適正管理という点からは、「学生は個人情報保護法や研修先病院・薬局等の定める個人情報保護規定、機密保持規定などに従って個人情報を適正に管理し、秘密保持を遵守する」と規定した。さらに、個人情報の適正管理を妨げる「行ってはならない行為」として、「個人情報を研修先病院・薬局等の許可なしに複製・複写すること」など8つの行為を明示した。
また、研修等の終了時に学生は、研修先病院・薬局等の指示に従い、研修等の間に取得した個人情報、その複製物・複写物の全てを返還、あるいは廃棄しなければならないこと、研修等を終了しても個人情報の保護義務を負うことなども盛り込んでいる。
各団体からの現状報告では、オブザーバーの日本薬剤師研修センターが、認定実務実習指導薬剤師養成ワークショップの2005年度修了者数を公表し、当初予想の600人を大きく上回る955人に達したと説明した。井村伸正理事長は06年度についても35回のワークショップ開催で、延べ160001700人程度の参加が見込まれていることを明らかにすると共に、「08年度までに7000人という当初予想を超える認定指導薬剤師が養成できるのではないか」との見通しを示した。
日本私立薬科大学協会は、今年度の薬科大学・薬学部の入学定員と入学者数を報告した。それによると私立大学の6年制では、今年度の新設校と3年進級時に6年制と4年制を振り分ける北里大学、大阪薬科大学を除く43校の平均で、入学者数は定員の1.07倍だった。まだ1.2倍を超えている大学もあるが、多くが1.1倍以内に収束してきている。