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今年10月にジェネリック(GE)メーカーの共和薬品工業(本社大阪市、社長渡辺健二氏)を買収したインドGEメーカー第5位のルピンの社長で、共和薬品の代表取締役会長に就任したカマール・キショアー・シャーマ氏は13日、大阪市内で会見し、今回の日本市場参入について「政府や厚生労働省のGE薬使用促進策により、この205年で金額ベース10015%、数量ベースで30%への成長が見込まれる市場。非常に良いタイミングだった」と語った。GE市場についても「30%が達成されればGE薬の認知度も向上し、後は雪だるま式に市場の成長、拡大が促されると考えている」との見解を示した。
共和薬品買収についてシャーマ会長は、取得金額は明らかにしなかったものの、「株式の90%以上を取得した」と説明。同席した共和薬品の渡辺社長は「使用促進策によりGE薬市場が拡大していく中、リーディングカンパニーを目指すには共和薬品の力だけでは難しいと判断。05年から共同開発契約を締結するルピンとの資本提携を決めた」と資本提携の経緯を話した。さらに渡辺社長は「研究開発力、製造能力、グローバル力の3拍子が揃ったルピンをパートナーとすることで、日本のGE薬市場でトップ5の企業を目指す」との方針を示した。
シャーマ会長はルピンについて、研究開発体制ではプロセスケミストリー研究や原薬メーカーとして培った能力を活用し製剤にも注力、5年前から神経化学物質の開発に取り組み、現在4つの新規化合物が臨床開発中であることや、同社リサーチパークには400人の研究員を擁し、収益の7%を投資していることを紹介。「ルピンの研究開発力が共和薬品をサポートできると考えている」と展望した。また、製造設備の増強策については、「ルピンと共和薬品は一つの企業体」とし、全社的な投資計画の中で決定していく方針だとし、「日本の製造能力には十分なキャパシティがある。近々にはそうした計画はない」とした。
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現在、共和薬品としての新5カ年計画を策定中で、数カ月でプランを作成するとしたものの、数値的な目標値は明言しなかった。今後も「共和薬品工業」の名称は変更せず展開していく方針。また、共和薬品が保有する収載品目は約170品目となるが、渡辺社長は「GE大手と比べても半数以下。リーディングカンパニーとなるためには、製品開発能力として現在の2倍に相当する年間20品目は必要。従来の精神科領域での事業戦略は変わらないが、ルピンの有する抗結核薬、抗生物質、循環器系薬などの製品もできるだけ早い時期に加えていきたい」と説明した。
また、今後GE市場のトップ5の目標値についてシャーマ会長は「時間的なものよりも、目標を達成するためのロードマップを制御することが重要」だとし、さらなる買収についても「可能性は否定しない、そういう機会があれば活用すべきと考えている」とした。
- 【共和薬品工業】インドジェネリックメーカー「ルピン」の傘下に‐ジェネリック市場参入・再編が進行
2007年10月12日