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政府の来年度予算編成の基本方針が4日、閣議決定された。医療分野では、原案にあった「トータルコストの削減努力を最大限行う」を削除し、「メリハリの効いた診療報酬・薬価等の見直し」に修正。マイナス改定は回避される可能性が高まった。また、「後発医薬品の普及促進」は原案通り盛り込まれた。
基本方針は3日の経済財政諮問会議に諮問され、福田康夫首相に即日答申された。「骨太の方針2007」に沿い、「革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」をはじめとする経済成長力の強化と、社会保障関係予算の削減など歳出改革の徹底が柱。その中にあって、地方再生や中小企業の生産性向上、農林水産業改革、教育再生など、疲弊分野への配慮をにじませ、削るところは削り、必要な領域には手当するメリハリのある予算編成を行うことになった。
社会保障分野も歳出改革路線を堅持し、その中で医療分野について「勤務医対策や地域医療確保等サービスの質の維持・向上を図りつつ、効率化によるコストの削減努力を行う観点から、メリハリの効いた診療報酬・薬価等の見直しや、先発品に比べて薬価の安い後発品の普及促進等を行うことをはじめ、所要の措置を講ずる」との方針を示した。
「国民の安全・安心」の観点からも、小児、産婦人科などでの医師不足の解消策、救急医療体制の充実を図るほか、インターフェロン治療に対する医療費助成を含む肝炎対策の推進も盛り込んだ。
内閣府は原案段階では、診療報酬改定について総枠としてプラスかマイナスかまでは決め打ちしたものではないとしていたが、答申では「トータルコストの削減」が削られ、「効率化によるコスト削減」に修正された。
その点について大田弘子経済財政担当相は3日の諮問会議終了後の会見で、自民党政調などで国民が安心できる社会保障でなければならないなどの議論があったことを踏まえ「(診療報酬を)どう見直すかはこれからの議論だが、これ(トータルコストの削減)では切り下げとしか読めない、その色彩が強すぎるということで『メリハリ』を入れた」と説明した。
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