脱毛症治療剤の市場が2014年には05年に比べ19倍の95億円まで拡大する可能性があることが、富士経済の調査で明らかになった。男性型脱毛症(AGA)は、遺伝や加齢によるものと諦めるケースが多いが、治療できることを啓発し、潜在患者を掘り起こすことで成長が期待されると予測している。
調査は3月から5月にかけて、ヒアリングや各種統計資料など文献などを用いて、治療薬の市場動向、患者動向について調べた。その中で「脱毛症治療剤」市場を「注目疾患用剤」の一つに取り上げた。
脱毛症にはAGA、円形脱毛症、壮年性脱毛症の3種類がある。中でも注目を集めている疾患は加齢に伴い頭髪が抜ける、薄くなるなどの症状が出るAGA。約1260万人が罹患しているといわれる。
富士経済は、AGA治療剤「プロペシア」(万有)が05年に発売されたことをきっかけに、疾患啓発活動が積極的に行われ、受診患者数が増加傾向に拍車がかかるとして、今後の動向に注目が集まるとしている。
脱毛症治療剤のほか、皮膚疾患治療剤、抗アレルギー剤、感覚器官用剤、呼吸器疾患治療剤、解毒剤といった医療用医薬品5薬効領域の市場動向を「2006医療用医薬品データブックNo.3」にまとめ、販売している。A4判、293ページ、16万8000円。