日本製薬工業協会は東証1部に上場する28社(12月決算1社、2月決算1社を含む)の2008年3月期中間決算の概況をまとめた。中間業績は、海外事業が引き続き好調に推移したことから、売上高は増加した。利益面では、医療用医薬品事業へのさらなる集中、自社品売上高の伸長による原価率の改善、特殊要因による研究開発費の減少やその他販管費の抑制により、営業利益、経常利益、中間純利益のいずれも増益となった。
売上高についてみると、28社全体では前年同期比5.7%の増収だった。増収は21社、減収は7社。
国内では主力製品の売り上げが伸長したものの、後発医薬品の使用促進、包括化の影響、非医薬品事業売却などの特殊要因もあり、2兆2165億円で前年同期比1.4%増にとどまった。海外は主力品の売上高拡大が寄与し、14.7%増の1兆1960億円となった。これにより、海外売上高比率は2.7ポイント上昇し、35%に達した。
粗利益は医療用医薬品事業の集中や、利益貢献度の高い自社品の伸長などにより、原価率が28.5%と1.6ポイント改善したため、前年同期比8.0%増となった。販管費は、研究開発費の減少や事業再編等による抑制により、0.7%の増加におさまった。研究開発費減少の主な理由は、一部企業で多額の導入契約一時金の支払いがあったこと。
この結果、営業利益は前年同期比25.9%、経常利益は23.5%、それぞれ増えた。なお、営業、経常利益とも増益だったのは22社、減益だったのは6社。
純利益は、特別利益が減ったことや合併関連費用の計上による特別損失の増加などから、最終的には23.0%の増だった。増益は20社、減益は8社。
通期見通し(比較ベース)では、研究開発費等の増加が予想されるものの、引き続き海外での主力品伸長が見込まれると同時に、国内でも主要製品の拡大が期待できることから、売上高は前期に比べ、4.2増の6兆8473億円、経常利益は10.4%増の1兆6550億円、純利益は15.7%増の1兆0298億円と予測している。
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