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混合診療の全面解禁を主張している規制改革会議は、禁止の立場を貫く厚生労働省との公開討論を行った。厚労省が、混合診療の禁止に法的根拠はないとする東京地裁の判決を不服とし、16日に控訴したことを受けたもの。混合診療全面解禁を求める同会議に対し、厚労省は保険外併用療養制度があることや、国内未承認薬も検討してるなど、従来の主張を展開、議論は平行線をたどった。
公開討論で会議側は、「混合診療の禁止は、診療の一部でも保険外であれば、患者は全額自己負担となる。そうなれば、保険外の最先端の治療などは、一部の富裕層しか享受できず、かえって患者が受けることのできる医療内容の格差が拡大する」などを論点に挙げ、全面解禁が必要なことを主張した。
これに対し厚労省側は、解禁により、患者に保険外の負担を求めることが一般化して負担拡大のおそれがあることや、安全性・有効性が確認されていない「特殊な医療」の実施を助長することなどから適切ではないとした。また、安全性や有効性が担保されている医療技術で、ニーズが高いものは先進医療の枠組みの中で併用を認めていることも挙げた。
さらに、「解禁すれば、患者がわずかな追加負担で有効な新薬を利用できる」と必要性を強調する福井秀夫委員(政策研究大学大学院教授)に対し、保険局医療課の原徳壽課長は、「(自由診療の内容が)保険診療を阻害する場合もある」と疑念を呈した。同課の保険医療企画調査室八神敦雄室長も「(安全性や有効性が確認された必要性の高い治療については)保険収載すべきだ」としたが、福井委員は「保険収載までのタイムラグは常にある。その間に患者が全額払うのかが問題だ」と反論した。
また、海外で有効性や安全性が確認されている薬でも、国内でなかなか承認されないとの指摘に対し、水田邦雄保険局長は「欧米で実績がある薬については、(承認に向け)未承認薬使用問題検討会議で検討している」と応じた。
同会議は年末の第二次答申のまとめに向け、混合診療解禁を「最重要課題」と位置付け、厚労省と議論を続ける意向。松井道夫主査(松井証券社長)は、「解禁を原則とし、妥協はしない。(決着がつかなければ)最終的には政治判断になる」と徹底対決を続ける構えを見せた。
- 【混合診療】全額自己負担は法的根拠なし‐東京地裁が判決
2007年11月09日
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