仏サノフィ・アベンティスのジャン・フランソワ・デュエック会長兼CEOは、来日して14日に都内で記者会見を行い、「日本(市場での成長)は何よりも増して重要な課題である」と述べ、既存製品の伸長に加え、世界的な大型製品で日本で近く発売される見込みの抗血小板剤「プラビックス」(一般名:硫酸クロピドグレル)をはじめとする新薬の投入で、3~4年後には日本での売上高を2500億円程度の倍増を目指すことを表明した。
デュエックCEOは、日米欧で医療費抑制の流れにあるものの、高齢化などに伴いニーズの高い薬効群もあるとして、そこをターゲットに新薬開発、上市していくことで「高い成長率が達成できる」と強調。具体的なターゲット領域として循環器、糖尿病、中枢神経、癌などを挙げ、ワクチン市場の拡大も期待できるとした。
日本市場への進出は「まだ十分ではない」と述べ、最重要課題に挙げた。今後の事業展開についてはバイスプレジデントのハンスピーター・シュペック氏が説明に立ち、「プラビックスの上市が日本の事業の転換期となる」と指摘した。その後もプラビックスの急性冠症候群の適応拡大、超速効型インスリン、排尿障害改善薬、抗肥満薬などの投入により、成長を図る計画だという。
第一製薬などとのいくつかの合弁会社の今後の取り扱いについては「決定的なことは言えない」とした上で、「今後はより直接的に投資をしたい。しかし、歴史もあり、日本ではゆっくり時間をかけて変化していかなければならない」と述べた。
日本でのワクチン事業についてはデュエックCEOは「戦略を構築中であり、話せない」と述べ、日本政府とのパートナーシップも重要であるとの認識を示した。