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アステラス製薬は27日、米国持株子会社を通じ、米バイオ医薬ベンチャーのアジェンシス(カリフォルニア州)を3億8700万ドルで買収すると発表した。アステラス製薬は抗体医薬分野の強化を中期経営計画の柱の一つに掲げており、癌領域の抗体医薬を専門とするアジェンシスを買収し、その研究開発力を取り込むことで、抗体医薬研究体制の強化を図りたい考えだ。
アジェンシスは、UCLAの泌尿器癌専門家が中心となって設立された癌領域の抗体医薬を専門とするバイオベンチャー企業で、従業員数は約100人。うち研究開発部門に50人、生産部門に30人強を有している。
これまでに、ヒト組織を用いた遺伝子発現解析によって、14の癌種から30種の新規標的抗原を発見した実績を持ち、現在では泌尿器癌から癌全体に研究対象を拡大している。標的探索から抗体生産、臨床試験までの業務に取り組んでおり、特に抗体医薬開発においては、豊富な経験と治験薬製造設備を有し、現在では第I相臨床試験中の抗体治療薬をはじめ、複数の前臨床段階の候補品を保有している。
アジェンシスの買収金額は3億8700万円。アステラス製薬はアジェンシスの全株式を取得し、12月中に買収手続きを完了する予定だが、契約ではアジェンシスが保有する新薬候補品の有効性などが確かめられた段階で、成功報酬として総額1億5000万ドルを買収前の株主に払うことも盛り込まれている。
中期経営計画で、アステラス製薬は抗体医薬分野も積極的に取り組むことを盛り込んでおり、抗体医薬創出の基盤強化に力を入れてきた。今回、アジェンシスの買収でアステラス製薬は完全ヒト型抗体作製技術、癌の独自標的分子及び開発抗体を取得することになり、抗体医薬創出のスピード化と重点研究領域の一つである癌領域を含む自社抗体医薬研究体制の強化を図るほか、アジェンシス由来の標的分子は低分子癌治療薬の自社研究にもつなげていく。
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