ピップフジモト(大阪市、社長藤本久士氏)、ピップトウキョウ(東京都千代田区、社長松浦由治氏)の両社は19日、株式移転による経営統合で合意した。明年5月1日に共同持ち株会社「ピップ」を設立し、両社はその完全子会社となる。新会社(大阪市中央区)の社長には藤本氏、副社長には松浦氏が就任する。
ピップフジモトは従業員数497人、売上高703億円、ピップトウキョウは従業員数581人、売上高859億円(いずれも06年10月期の連結ベース)。ともに医療衛生用品、ベビー用品、ヘルスケア用品、家庭用品・雑貨などの卸販売のほか、「ピップエレキバン」「スリムウォーク」など自社商品の製造・販売を手がけている。
両社は1908年(明治41年)に創業し、戦前は一つの会社として卸事業を営んでいたが、1946年に経理応急措置令により会社を分割し、東日本、西日本を中心にそれぞれ事業を拡大してきた。また一方で、1968年に両社で「開発企画室」(現在のピップ商品開発センター)を設立し、両社のノウハウを結集した商品開発に取り組むなど、密接な協力関係にあった。
今回、両社では「今後も得意先、仕入れ先の期待に応え、社会に貢献し続ける企業として存続するためには、全国を網羅する広域営業・物流ネットワークを整備し、市場にマッチするマーチャンダイジング機能のさらなる強化を実現することが求められる」と判断。また明年が、創業100周年を迎える節目に当たることもあって、近い将来の合併も視野に入れた事業持ち株会社を設立することを決定した。
今後は、明年5月1日を新会社設立期日として、統合委員会の活動拠点を東京に設置し、設立手続きや統合後のビジョン、システム等を協議していく予定。