武田薬品は19日、米国に武田アメリカ・ホールディングス株式会社の100%子会社として、武田サンフランシスコ(TSF社)を設立したと発表した。
武田薬品では、バイオ医薬産業の集積地であるサンフランシスコに設立したTSF社を、武田グループの抗体医薬研究機能の中心と位置づけている。研究を加速することで、抗体医薬の創製・開発・活性強化・製造などについて、高い技術を備えた基盤の構築と早期上市を目指す。
武田薬品は、5カ年中期経営計画「06-10中期計画」において、「自社研究開発における『新薬創出力の回復』」を重要な基本方針の一つとして掲げている。研究機能では、「体制・仕組みの改革による質とスピードの追求」「風土・意識の改革による優れた人材の確保・育成」などと共に、“新たな創薬分野への挑戦”からなる「研究戦略の再構築」に着手している。
今回のTSF社設立は、その取り組みを具現化する施策の一環で、日本国内の研究所、武田サンディエゴ、武田ケンブリッジ、武田シンガポールと共に武田薬品のグローバル研究ネットワークの一翼を担う。
長谷川閑史武田薬品代表取締役社長は、「TSF社の設立は、当社の抗体医薬研究を加速させる重要なステップである。優秀な人材確保と積極的な研究投資を通じて、自社研究の推進および他社との共同研究・提携あるいは買収などあらゆる可能性を追求し、抗体医薬研究を加速していく」と明言。さらに「これと並行して、抗体医薬以外のバイオ医薬、核酸医薬や再生医薬などの新たな創薬技術を確立することで、自社研究開発パイプラインのさらなる強化に取り組みたい」としている。