日本製薬工業協会が会員企業に対し実施した「女性MRに関する現状調査報告」がまとまった。それによると、女性MRは5432人でMR全体の11%を占めていた。また、2006年度の採用MRでも女性の占める割合は40%に近い数字だった。一方、課題とされている女性MR定着率の向上については、4分の3の企業で定着率アップのために何らかの対策を講じていることが分かった。
調査はには56社が回答した。女性MRの占める割合を構成比別でみると、▽女性MRが5%未満(12社)▽5010%(19社)▽10015%(13社)▽15020%(6社)▽20%以上(6社)””の順だった。一方、女性MRマネージャーは32人しかおらず、女性MR全体の1%にも満たなかった。また、女性マネージャーがいない企業も、56社中44社あった。
06年度の採用者では、3139人中、女性MRは1197人で、全体の38%を占めた。06年度にMRを採用した企業は55社だが、これを女性MRの占める割合別でみると、▽10%未満(3社)▽10020%(6社)▽20030%(5社)▽30040%(15社)▽40050%(14社)▽50%以上(12社)””などとなっている。
また、今後の女性MR数の動向について聞いたところ、「増加する」が72%で最も多く、以下▽現状維持11%▽減少する6%▽わからない11%””と続く。また、女性MRの定着に関しては「定着率改善が必要」とした企業は81%あった。
一方、女性MRが定着率が良くない理由(複数回答)としては、「出産後に仕事と子育ての両立が困難である」というのが32%と最も多く、次いで「結婚後に仕事と家庭生活の両立が困難」(9%)、「勤務が不規則」(15%)、「転勤ができない(転勤を嫌う)」(6%)、「上司の指導が不十分」(6%)、「セクハラ等のストレスが多い」(5%)などとなっていた。
さらに、現在女性MR定着率向上のために取り組みを実施しているかどうかを尋ねたところ、75%が取り組んでいると回答した。
その内容としては、▽配属や人事異動等十分に配慮した人事面における検討▽勤務地を配慮した勤務体制の検討(勤務地選択・限定等の制度化など)▽育児支援のための時短勤務体制の制度化▽育児休職制度、育児休暇制度の充実▽育児期間内の経済的支援等の充実▽女性MR活用促進のための管理職研修▽女性MR自身の研修強化▽メンター制度の実施▽女性MRのネットワーク強化▽休職中の支援策、MR復帰への支援””などだった。
- MR数は5万5701人‐MR教育センターが集計
2006年11月06日