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厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は、タミフル(リン酸オセルタミビル)の安全性の検証を進めているワーキンググループから、ロシュが実施した非臨床試験の中間報告を受けた。中枢神経系・心血管系への安全性を調べる四つの試験で、現時点ではいずれも飛び降りなどの異常行動や突然死との因果関係は否定される結果が出されている。しかし、タミフル投与後の脳中濃度など、まだ報告が上がっていないデータや、実施中の試験も残っている。、厚労省では臨床試験の検証結果や、新たに調査している異常行動についての医療機関からの報告なども併せ、年内に結論を出す予定だ。
中間報告を行ったのは「リン酸オセルタミビルの基礎的調査検討のためのワーキンググループ」(基礎WG)。ロシュが実施した、タミフルや活性代謝物の中枢神経系への分布や薬理学的作用と、心血管系に対する安全性を検証する非臨床試験の結果に基づき評価、検討された。
今回報告されたのは、タミフルとその活性代謝物について、成熟ラットを用い、投与後の血漿及び脳脊髄液中濃度、脳内移行に及ぼす能動輸送(トランスポーター)機構などを調べた四つの試験。
基礎WG座長の大野泰雄国立医薬品・食品衛生研究所副所長は、いずれの試験でも「中枢神経系の副作用を直接的に支持するデータは得られていない」と関連を否定する見解を述べた。ただし、血漿と脳脊髄液中濃度の比較試験では、脳脊髄液中の濃度が血漿中濃度に比べて低く、タミフルや活性代謝物の脳への移行が抑えられていることを示唆するデータがあるのに対し、脳内濃度の数値がまだ報告されていないことから、この試験に関しては報告を待って結論をまとめたいとの意向を示した。
浦田重治郎参考人(国立精神・神経センター国府台病院院長)は、現在進められている検証に加えて、「小児の死亡例が注目されているが、全体的な傾向として、死亡率がタミフル投与により上がるのか、下がるのかを検討すべきではないか」と提案した。
厚労省医薬食品局安全対策課は、12月の安全対策調査会で因果関係について最終的に評価する予定としている。これを受けタミフルの安全対策が確定するまでの間、10代への投与を中止するなどの現行の対策を医療機関などに再度、周知して継続する。
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