医療制度改革関連法案審議が佳境に入っているが、30日の参議院厚生労働委員会で藤井基之委員(自民)は、医薬品の医療機関と卸業者の未妥結・仮納入問題で、実効性ある対策を求めた。厚生労働省の松谷有希雄医政局長は、今年度から定期的に価格妥結状況を調査し、適正な流通確保に取り組みたい考えを示した。
藤井議員は厚労委で、「日本医薬品卸連合会の調べでは、2004年度の医薬品卸と医療機関との間の、価格の未妥結・仮納入の状況が6カ月続くのは、医療機関の58%、売り上げにして73%に達している。医薬品は生命関連製品であり、患者にとって重要であることから、卸は未妥結の状況でも納入し続けている。こうした取り引き慣行を続けていてもいいのか」と質した。
これに答えて松谷医政局長は、「卸連の調査でも、未妥結の割合が2002年度と04年度を比較すると増えている状況にある」との現状認識を示し、「昨年12月の中央社会保険医療協議会においても、価格の未妥結・仮納入といった取引は不適切な取引で、薬価調査の信頼性を損なうとし、その是正を図ることとされたところであり、今年3月に厚労省から関係団体等に未妥結、仮納入が長期にわたらないように指導したところである」との状況を説明した。
さらに指導の実効性を確保するために、「今年度から薬価調査の一環として価格妥結状況の調査を定期的に行い、医薬品にかかる取引価格の未妥結、仮納入の状況を把握すると共に、必要に応じて取り引き当事者に対して改善指導を行うこととするなど、適正な流通確保に取り組むこととした」と説明。「今後とも医薬品の流通改善はもちろんのこと、医薬品流通業界の健全な発展を支援していきたいと」との考えを示した。