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2006年度に導入された後発品使用促進策に対する検証結果が7日、中央社会保険医療協議会・診療報酬改定結果検証部会に報告された。後発品に対する医療機関や医師側の対応・意識について調査されたのは初めてで、外来患者に対しては約6割の医師が処方せんの「変更可」欄をチェックした経験があった。後発品に問題があるとして「処方しない」医師はいるが、7割は「特にこだわりがない」とし、入院患者に使用した医師の8割は「問題が生じた経験がない」など、強い抵抗感はうかがわれなかった。一方、薬局側では、チェックのある処方せんを持参した患者に対し、後発品の説明を行ったのは、「1割未満」と回答した薬局が約半数に上り、積極的に説明していないことが示唆された。
調査結果は9日の中医協診療報酬基本問題小委員会に報告し、診療報酬上の後発品の使用促進策について本格的な検討を行うことになる。
調査は今年7月分について行われたもの。前回の06年10月分に続くものだが、後発品への切り替えがさほど進んでいない現状を探るために、今回は医療機関や医師の意識を把握する質問項目を加えた。調査結果は、保険薬局583施設、一般診療所688施設、病院408施設、医師651人からの回答をもとに解析された。
入院患者に対する後発品の使用状況では、有床診療所の18.0%は「積極的に使用」、57.4%が「後発品のあるものの一部を使用」。病院では24.5%が「積極的に使用」、52.5%が「後発品のあるものの一部を使用」となっており、約75%の医療機関が何らかの形で使用していることが分かった。
使用した結果、品質や供給上「問題が生じた経験がある」のは有床診療所で6.6%、病院で18.1%にとどまり、有床診療所の83.6%、病院の78.4%は「問題が生じた経験がない」だった。
外来(院外処方せん)患者に対しては、施設として「積極的に使用」しているのは20.1%で、51.2%は「個々の医師の判断」に委ねていた。その医師の75.1%は後発品を「銘柄指定」した経験があった。
また、処方せんの「後発医薬品への変更可」欄をチェックした経験のあるのは、診療所の医師で66.4%、病院で60.5%に上った。
後発品には品質や効果などに問題があるとして「処方しない」医師は、診療所・病院それぞれに2割弱いるものの、約7割は「特にこだわりがない」との姿勢を示した。
一方、薬局側の調査では、チェックされた処方せんを受け付けた経験のある薬局は83.9%に上った。今年7月の1カ月間に受け付けた処方せんのうち、「変更可」欄に処方医のチェックがあった処方せんは17.4%と前回とほぼ同様の結果だった。そのうち、実際に後発品に変更したのは8.2%と、前回より2.5ポイント増となった。
いずれも大きな変化はみられなかったが、後発品の備蓄は着々と進めていることがうかがわれ、備蓄している後発品の平均品目数は昨年10月と比べると23.9%増で、94.4品目だった。
しかし、チェックのある処方せんを持参した患者に対し、後発品の説明を行った割合は、「1割未満」と回答した薬局が49.6%に上り、積極的に説明していないことが示唆された。
また、説明しても患者が後発品を希望しなかった理由としては、「患者自己負担額の差額が小さい」と「後発品に対する不安がある」に集中した。 半数の薬局からは、さらに後発品の使用を促進するには、「患者に十分説明できるだけの時間や後発品の備蓄コスト増に見合った診療報酬上の評価が必要」との意見が挙がった。
説明への評価を求めるこの意見に対し、室谷千英委員(神奈川県立保健福祉大学顧問)は「患者に説明するのが薬剤師の役割ではないか」とし疑問を呈した。
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