武田薬品の長谷川閑史社長は、中間決算説明会で会見し、米国での高コレステロール血症治療薬TAK”475の開発に躓いたものの、同社が「06‐10中期経営計画」に掲げている「15年自社医療用医薬品2兆円を見通せる研究開発パイプラインの構築」「自社医療用医薬品売上高1兆4000億円」達成に向けて自信を示した。
開発中のTAK‐475が、FDAから追加臨床試験の実施と高用量試験の中止を推奨されたことを受け、翌日の同社株価は1000円のストップ安となるまで暴落した。
会見で長谷川社長は開口一番、「株主をはじめとするステークホルダーに、多大なご迷惑をおかけしたことをお詫びしたい。低用量におけるTAK‐475の今後の開発については、早急に見極めたい」と述べた。その上で「同剤の開発の躓きは、中期経営計画で掲げている自社医療用医薬品売上高1兆4000億円に影響を及ぼすことはない」と断言。15年自社医療用医薬品2兆円を見通せる研究開発ラインの構築に強い自信を見せた。
その一方で、「TAK‐475の躓きが株価に大きな影響を与えたのは、当社の開発パイプラインの厚みが十分ではないという市場評価によるものだと理解している」と話し、「TAK‐475を教訓にして、これからは必ずバックアップを付けて化合物の開発を併走させたい」とした。さらに、今後の開発パイプラインの指針として(1)PII・IIIにある化合物申請を1日でも早く促進する(2)合剤などのライフサイクルアセスメントのさらなる充実(3)積極的なアライアンス・買収の展開‐‐を示した。