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小野薬品は、完全ヒト型抗PD-1抗体「ONO-4538/MDX-1106」について、癌と共に新たにC型肝炎を対象とした開発を米国で開始することになった。「ONO-4538/MDX-1106」は、小野薬品と米国メダレックスが一昨年5月に締結した共同研究契約に基づいて創製されたもの。現在、米国で再発または治療の難しい癌患者を対象に臨床試験を実施している。
PD-1は、T細胞の細胞死誘導時に発現が増強される遺伝子として単離・同定されたもの。活性化したT細胞の表面にある受容体の一種で、活性化T細胞を沈静化し、免疫反応を負に制御していることが明らかになっている。癌細胞やC型肝炎、HIVなどは、このシステムを利用して免疫反応から逃れているという研究成績がいくつも報告されている。
「ONO-4538/MDX-1106」は、PD-1の働きを抑制することで、癌やウィルスを異物と認識して、排除する免疫反応を増進することが期待されている。
C型肝炎を対象としたPIの実施については、メダレックスがFDAに新薬治験申請を行っていた。承認を受けてメダレックスでは、活動性C型肝炎遺伝子型1の感染者34人を対象に、「ONO-4538/MDX-1106」の単回投与での安全性、薬物動態および予備的な有効性を評価することにしている。
両社はPIIが終了するまでの開発費用を分担し、POC(ヒトでの有効性と安全性の立証)の確立以降は、メダレックスは北米地域で、小野薬品は北米以外の地域を対象に開発を進めていく。
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