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中央社会保険医療協議会は10月31日の総会で、[1]食道癌等における血清中p53抗体の測定など、新しい臨床検査2項目の保険適用[2]人工股関節の弛みに対する治療など、新医療技術2件の先進医療適用――を承認した。いずれも1日から施行された。
<臨床検査>
◇抗p53抗体
従来の腫瘍マーカーでは難しかった比較的早期(ステージI、II)の食道癌、大腸癌、乳癌の診断を可能とするもの。申請者の医学生物学研究所が、5月に「MESACUP anti-p53テスト」の名称で承認を取得している。測定はELISA法で、保険点数は170点。
中医協は、「根治できる可能性が大きい段階での陽性率の高さが特徴であり、臨床上有用」と判断した。同研究所によると、新規腫瘍マーカーとしての製造承認はほぼ8年ぶりという。
◇WT1mRNA定量
急性骨髄性白血病の増殖に関与するWT1遺伝子のmRNAを測定する方法で、再発を従来より高感度に診断できる。大塚製薬が昨年9月に「WT1 mRNA測定キット 『オーツカ』」の名称で承認を取得した。測定はリアルタイムRT-PCR法を用い、点数は2000点。
厚労省によれば、この検査は従来法に比べ、1000倍もの高感度で微小残存病変が検出できるとしており、中医協は、「再発の予見や追加化学療法の中止といった判断が可能であり、治療成績の向上が期待できる」と判断した。
<先進医療>
◇セメント固定人工股関節再置換術におけるコンピュータ支援フルオロナビゲーションを用いたセメント除去術
人工股関節の弛みを治療する技術。コンピュータが赤外線を用いて除去すべき位置を正確に捉えるため、従来のエックス線を用いた方法に比べ被曝が少ない上、患者に大きな損傷を与えることなく正確な手術を可能にした。患者自己負担額は1回11万6000円。
◇腹腔鏡下直腸固定術
高齢者に多く見られる直腸脱を治療する技術。腹腔鏡を用い、下腹部の皮膚に5012mmの小切開を4カ所加えるのみで直腸を固定できるため、開腹術に比べ患者に大きな侵襲を与えることなく、再発率も開腹術と同程度と低い。自己負担は1回32万6000円。
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