薬事食品衛生審議会は24日に医薬品第二部会、25日に医薬品第一部会を相次いで開き、新医薬品の承認可否などを審議・報告した。第一部会では優先審査品目に指定されていたバラクード錠など5成分、第二部会では2成分が審議され、いずれも承認して差し支えないとの結論に至った。薬事分科会に報告される。
第一部会
<審議品目>
◇ポリドカスクレロール0.5%注2mL、同1%注2mL、同3%注2mL(堺化学工業が輸入:有効成分はポリドカノール。一次性下肢静脈瘤(伏在静脈瘤の本幹を除く)の硬化退縮を効能・効果とする新投与経路医薬品。食道静脈瘤出血の止血、及び食道静脈瘤の硬化退縮を効能効果として、既に1991年に承認されているが、これまでは1%製剤しかなかった。原体・製剤とも毒劇薬に指定される。再審査期間は4年。
◇アボネックス筋注用シリンジ30μg(ジェンザイム・ジャパンが輸入):有効成分はインターフェロンベータ”1a。効能効果は多発性硬化症の再発予防。インターフェロンベータ”1bを日本シエーリングが発売しているが、1bは2日に1回の皮下注射が必要なのに対し、1aは週1回で済むというメリットがある。99年に希少疾病用医薬品に指定されており、再審査期間は10年。原体・製剤とも劇薬で、生物由来製品に指定される。▽市販後全例のフォローアップ▽長期にわたって有効性、安全性を確認する――などの承認条件が付される。
◇フォサマックOW錠35mg(万有製薬が製造)、ボナロンOW錠35mg(帝人ファーマが製造):有効成分はアレンドロン酸ナトリウム水和物で、効能効果は骨粗鬆症。既存の製剤は1日1回投与だが、服用後少なくとも30分は横になってはいけない。OW錠は含有量を7倍にしたもので、これによりコンプライアンス向上が期待される。再審査期間は4年、原体・製剤とも劇薬に指定。
◇パルミコート吸入液0.25mg、同0.5mg(アストラゼネカが輸入):有効成分はブデソニド。気管支喘息の効能効果を持つステロイド薬で、成人用にドライパウダー式吸入剤として販売されているが、小児には使用できない。そのため6カ月から5歳未満の乳幼児用に、用法・用量と剤形が追加された。再審査期間は4年。原体が毒薬に指定される。
◇バラクルード錠0.5mg(ブリストル製薬が輸入):有効成分はエンテカビル水和物。効能効果は、B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝炎疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制。優先審査品目の対象となっていた。新有効成分で再審査期間は6年、原体・製剤とも劇薬に指定される。
<報告品目>
◇イムラン錠(グラクソ・スミスクラインが輸入):有効成分はアザチオプリン。適応外通知による申請で、ステロイド依存性のクローン病における緩解導入と緩解維持、またステロイド依存性の潰瘍性大腸炎における緩解維持の効能・効果と用法・用量の追加が認められた。
◇ネオーラル内用液、同10mgカプセル、同25mgカプセル、同50mgカプセル(ノバルティスファーマが輸入):有効成分はシクロスポリン。適応外通知による申請で、全身型重症筋無力症(胸腺摘出後の治療でステロイド剤が効果不十分、または副作用により投与困難な場合)の効能・効果が追加された。
◇タケプロンカプセル15、同OD錠15(武田薬品が製造):有効成分はランソプラゾール。非びらん性胃食道逆流症の効能効果、用法用量が追加された。PPIでこの効能効果が認められたのは初めて。
第二部会
<審議品目>
◇イトリゾール内用液1%(ヤンセンファーマが輸入):有効成分はイトラコナゾール。口腔咽頭カンジダ症、食道カンジダ症に対して、剤形と用法・用量が追加される。1993年にカプセル剤として輸入承認を受け、販売されているが、カプセル剤では血中濃度が上がらず、吸収率にバラツキがあった。内用液はこうしたデメリットをカバーできると期待されている。再審査期間は4年、毒劇薬には該当しない。
◇ベガモックス点眼液0.5%(日本アルコンが輸入):有効成分は塩酸モキシフロキサシン。塩野義製薬が販売しているニューキノロン製剤「アベロックス錠」(製造販売元はバイエル薬品)を点眼薬にしたもの。「眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法」を効能効果とする新投与経路医薬品。再審査期間は6年で毒劇薬には該当しない。
<報告品目>
◇ジェムザール注射用200mg、同1g(日本イーライリリーが輸入):有効成分は塩酸ゲムシタビン。「胆道癌」の効能効果を追加。