HOYAは来年3月31日をメドに、子会社のペンタックスと合併する。事業ポートフォリオ戦略を前提としたカンパニー(事業部)制を採用しており、合併によってペンタックスをカンパニーとしてHOYAの下に組み込むことになる。両社は、経営統合をめぐり迷走していたが、5月末にペンタックスが子会社となる形で決着がついていた。
HOYAは、ペンタックスの各事業部が、他の事業部と同等の迅速な経営判断と行動を行うことや、積極的な経営資源の投入が可能なため、ペンタックスをカンパニーとして組み込むことを選択。両社は10月29日付の取締役会で合併契約を締結した。
合併後、当初の狙いであった相互補完できる医療機器事業の強化に取り組む。情報エレクトロニクス分野をはじめ、コンタクトレンズや医療用眼内レンズなどアイケア分野の安定した収益力を投入することによって、ペンタックスの内視鏡を含む医療機器事業などの成長を図る。ペンタックスブランドは存続させる意向だ。
合併方法は、HOYAを存続会社とする吸収合併方式を採る。資本金は、合併による増加はなく62億6400万円。本店所在地や社長の変更もない。売上高は両社合算で5474億3700万円となる。
両社は、昨年12月に経営統合で基本合意していたが、今年4月にペンタックス内部から統合に反対する動きが出て、基本合意に携わった浦野文男社長を解任、代わった綿貫宜司社長は合併の白紙化を表明。しかし、筆頭株主からは経営統合に代わる企業価値向上策が求められ、5月に単独成長による経営計画を示したものの、理解が得られなかった。そのため、6月上旬からHOYAがペンタックス株全てを公開買い付け(TOB)し、9月30日の段階でペンタックスの発行済株式株の90・48%を取得していた。
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