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厚生労働省の未承認薬使用問題検討会議は、小児のてんかん症で難治性のレノックス・ガストー症候群(LGS)の治療薬として、「ルフィナマイド」の開発をエーザイに促すことを決めた。また、造血幹細胞疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の初めての特異的治療薬となる「エクリズマブ」、癌性疼痛緩和の国際的な標準薬である「オキシコドン注射剤」と「メサドン」の2剤についても、関連企業に開発を促していく。
ルフィナマイドは、エーザイが欧州で開発、EUでは今年1月に承認されている。小児の早期に発症し難治性のLGSに伴う発作の治療における補助療法に使うことができる。
LGSは小児てんかんの1010%に発生し、既存の抗てんかん薬では効果が不十分で、発作のコントロールは極めて困難な難治性疾患。
同剤は既存の抗てんかん薬とは類似性のないトリアゾール誘導体。海外臨床試験では、4歳以上のLGS患者に対するてんかん治療の併用薬としての有用性が明らかになったとされ、検討会議は、日本でも早急に治験を開始すると共に、海外データの活用も積極的に検討すべきとした。
エクリズマブは、開発は米国アレクシオンが行い、日本ではCROのシミックが治験準備中。発作性夜間ヘモグロビン尿症は、貧血、黄疸やヘモグロビン尿が見られ、国内の推定有病者数は430人、平均生存期間は32.1年。
現行の治療法としては、副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤による薬剤治療、造血幹細胞移植があるが、副作用や治療関連死が問題となっていた。エクリズマブはヒト化モノクローナル抗体で、補体C5に結合することによって、原因となる補体による血管内溶血を抑制する効果を持つ。
米国やEUで今年に承認されており、海外臨床試験ではプラセボ投与群に対し、86%の効果が認められた。有害事象も重大なものはなく、プラセボ群に比べて有意に高い副作用は見られなかった。それらから会議は、PNH治療の画期的薬剤であるとし、速やかな臨床試験の実施を求めることとした。
癌の疼痛治療に使われるオキシコドン注射剤とメサドンは、開発企業が決まっていないものの、早期の開発が必要と判断した。
オキシコドン注はモルヒネ注とほぼ同等の効果及び副作用を有する。しかし、モルヒネと異なり腎機能障害患者にも比較的安全に使用できるとされる。また、経口投与が難しいことが多いため、注射剤は不可欠と判断された。
メサドンも、モルヒネなど他の医療用麻薬と同等の効果及び副作用があるとされ、腎機能障害患者にも安全に使用できる可能性がある。神経障害性疼痛にも有効である可能性も示唆されている。ただし、過剰投与などによる呼吸抑制障害や不整脈といった副作用に関てし、FDAが注意喚起しており、その点を踏まえた上で早期の開発を検討すべきとした。
この2剤に関し委員からも、「疼痛緩和の選択肢を増やすべき」と支持する意見が複数出された。
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