“関連検索: 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会 腎癌 分子標的薬 ネクサバール
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は24日、腎細胞癌に対する初めての分子標的薬ネクサバール錠、B細胞性非ホジキンリンパ腫などに対する3剤組み合わせ療法など4件を審議し、承認して差し支えないとの結論に達した。ネクサバールは国際的にも高い評価を得ている抗癌剤。また3剤組み合わせ療法では、3剤のうち2剤が12月に行われる薬事分科会でも審議される。
<審議品目>
▽ネクサバール錠200mg(バイエル薬品が製造販売):成分名はソラフェニブトシル酸塩。根治切除不能または転移性の腎細胞癌を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。現在まで世界60カ国で承認されている。
チロキシナーゼ阻害剤で、癌細胞の増殖と血管新生を阻害する。日本での奏効率(第II相)は12.4%。海外試験での無増悪生存期間は、プラセボ群の84日に対しネクサバール群は167日であった。なお、全例調査が承認条件として付された。原体・製剤とも劇薬に指定。再審査期間は8年。
▽グレースビット錠50mg、同細粒10%(第一三共が製造販売):シタフロキサシン水和物。合成抗菌薬で、効能効果はシタフロキサシン感受性のブドウ球菌、緑膿菌等による咽頭・喉頭炎、肺炎、膀胱炎、尿道炎、子宮頸管炎、中耳炎など。この成分の承認は世界初。新有効成分含有医薬品で再審査期間は8年。
▽プリジスタ錠300mg(ヤンセンファーマが製造販売):成分名はダルナビルエタノール付加物。プロテアーゼ阻害剤で、HIV感染症を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。世界49カ国で承認されている。同剤は抗HIV薬のため審査の迅速化が認められており、海外データにより審査され、分科会での報告を待たずに承認される。希少疾病用医薬品で、再審査期間は10年。
▽[1]ゼヴァリンイットリウム(90Y)静注用セット(バイエル薬品が製造販売)[2]ゼヴァリンインジウム(111In)静注用セット(同)[3]リツキサン注10mg/mL(全薬工業が製造販売)――の3剤組み合わせ療法:それぞれの成分名は、[1]がイブリツモマブチウキセタン(遺伝子組み換え)、塩化イットリウム(90Y)、[2]がイブリツモマブチウキセタン(遺伝子組み換え)、塩化インジウム(111In)で、イブリツモマブチウキセタン[3]がリツキシマブ(遺伝子組み換え)。効能・効果はCD20陽性の再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫。
治療効果は、CD20抗体であるイブリツモマブチウキセタン(遺伝子組み換え)と、β線を照射して抗腫瘍活性を示す塩化イットリウムにより得られるが、ゼヴァリンの集積部位を確認する目的でγ線源である[2]を、またゼヴァリンを均等に分布させてβ線の過度の照射を防ぐために[3]を事前に投与する。海外で70例を対象にした第III相試験の奏効率は、リツキシマブ単体の51%に対し、3剤組み合わせ療法は81%と有意に高かった。
[1][2]は希少疾病用医薬品で、本体・製剤とも劇薬に指定される。再審査期間は10年。リツキサンは2011年6月まで再審査期間が残っている。
<報告品目>
▽ロセフィン静注用0.5g、同1g、ロセフィン点滴静注用1gバッグ(中外製薬が製造販売):成分名はセフトリアキソンナトリウムで、小児の用法用量を追加する一部変更承認。従来の1日2回投与から、1回投与も可能にした。国際的に広く使われている用法用量であるため、学会要望に基づき臨床試験を経ずに承認される。
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