厚生労働省は6月1日付で、新医薬品8成分15品目を薬価基準に追補収載する。内訳は内用薬4成分9品目、注射薬3成分3品目、外用薬1成分3品目。24日の中央社会保険医療協議会総会で、薬価算定組織の報告が了承されたもの。禁煙補助薬として注目されていた「ニコチネルTTS」(ノバルティスファーマ)が収載されるほか、「ファンガード点滴用25mg」に小児加算が適用された。収載される品目は次の通り。
◇エビリファイ錠3mg、同錠6mg、同散1%(大塚製薬):非定型抗精神病薬で、統合失調症の効能効果を持つ。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数7300人で販売高は7.5億円、ピーク時の8年目は14.5万人で121億円。
◇ジェイゾロフト錠25mg、同50mg(ファイザー):うつ病・うつ状態、パニック障害を効能効果とするSSRI系抗うつ薬。予測市場規模は、初年度が患者数2.7万人で販売高22.6億円、ピーク時の6年目は57.1万人で482.2億円。
◇ベシケア錠2.5mg、同錠5mg(アステラス製薬):過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を効能効果とする抗コリン薬。予測市場規模は、初年度が患者数13万人で販売高44億円、ピーク時の10年目は65.7万人で213億円。
◇デトルシトールカプセル2mg、同4mg(ファイザー):過活動膀胱に伴う尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁を効能効果とする抗コリン薬。予測市場規模は、初年度が患者数3.6万人で販売高は13.9億円、ピーク時の9年目は44.3万人で173.5億円。
◇アムビゾーム点滴静注用50mg(大日本住友製薬):アスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコッカス属による真菌感染症、真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症を効能効果とする抗真菌薬。予測市場規模は、初年度が2400人で9.8億円、ピーク時の6年目が2万3500人で85.4億円。
◇ファンガード点滴用25mg(アステラス製薬):アスペルギルス属、カンジダ属による真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症を効能効果とする小児用点滴薬。予測市場規模は、初年度が患者数5600人で販売高は3.5億円、ピーク時の2年目は6500人で5億円。
◇イヌリード注(富士薬品):糸球体ろ過量の測定により腎機能検査を行う検査用試薬。予測市場規模は、初年度が2000人で2000万円、ピーク時の6年目が2万1000人で1.9億円。
◇ニコチネルTTS10、同20、同30(ノバルティスファーマ):循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、代謝性疾患等の基礎疾病を持ち、医師から禁煙が必要と診断された禁煙意思の強い喫煙者が、医師の指導下に行う禁煙補助薬(ニコチンパッチ)。予測市場規模は、初年度が2.4万人で5.2億円、ピーク時の10年目が6.3万人で13.5億円。