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大正製薬は22日、伊藤忠商事グループで調理冷凍食品の製造販売会社であるヤヨイ食品(東京都港区、社長奥脇裕氏)と、食品事業に関する業務提携を発表した。食品業界でも健康をテーマとした商品への要請が高まっている中で、両社の経営資源を有効活用して、中高年市場を中心とする新市場創造、新顧客創造に向けの高品質・高付加価値食品のマーケティング戦略、事業戦略を共同で展開していく。
業務提携は、[1]健康食品、栄養機能食品、特定保健用食品、介護食品、病者用食品等の共同企画開発、マーケティング展開[2]アンチエイジングをコンセプトとした共同ブランドの立ち上げ、新規市場・顧客の創造[3]双方の販売チャネル、商流・物流・情報ネットワークの活用――などを主な内容とする。
ヤヨイ食品ではこれまでにもネスレ日本、カゴメ、日清フーズ、不二製油といった食品メーカーと提携しており、大衆薬のリーディングカンパニーであると同時に、近年は健康食品関連分野にも積極的に取り組んでいる大正製薬に昨年8月にヤヨイ側がアプローチした。ヤヨイ食品は冷凍食品メーカーとしてマーケティング及び製造販売面で高い技術力とノウハウを有しており、「大正製薬にとって新たな市場となる病院、施設、老人ホーム、宅配・通販を含む業務用及び家庭用食品事業への本格参入の道づくりを支援していく」(奥脇社長)とする。
大正製薬では「livita」ブランドの健康食品事業が順調な推移を見せているが、「新商品の開発という点、そして新たな販売チャネル開拓という面で、ヤヨイ食品と組むことで大正として専門性が生かせるチャネルと判断した。両社共同で高齢社会に対応・貢献できる商品を企画開発していきたい。当面は既存商品を新たなチャネルで展開していく」(高橋伊津美セルフメディケーション事業グループ執行役員)という。