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ジェンザイム・ジャパンは17日、遺伝子組換えムコ多糖症II型治療剤「エラプレース点滴静注液6mg(一般名:イデュルスルファーゼ・遺伝子組み換え)」を発売した。同日付で薬価基準に緊急収載されたことを受けたもので、4日の承認からわずか2週間という異例のスピード発売となった。
ムコ多糖症II型は、ムコ多糖を分解する酵素が先天的に欠損したり、活性が低下することで組織細胞内にムコ多糖が蓄積されるX染色体劣性遺伝性の疾患。進行性のため、低身長、骨変形、精神発達遅滞、心肥大などの症状から機能障害を引き起こし、10015歳の若さで死亡する患者も少なくない。しかし、日本ではムコ多糖症II型の進行を抑える有効な治療法はなく、対症療法にとどまっていたのが現状で、重篤な疾患だけに新しい治療薬の登場が待たれていた。
こうした背景から、同剤は2006年12月に希少疾患用医薬品に指定され、それ以来07年1月の承認申請、9カ月後の薬価収載、同日発売という異例の展開を辿った。
同剤は、ムコ多糖症II型に対する新有効成分イデュルスルファーゼ(遺伝子組み換え)を含む酵素補充製剤。1回体重1kg当たり0・5mgを点滴静注することで、ムコ多糖症II型の原因となっているムコ多糖の蓄積を軽減し、患者のQOL向上と心肺機能の改善が期待できる。
既に海外では、米国、EUなど33カ国で承認済みで、世界で約500人の患者が同剤の恩恵を受けている。今回、日本でも初めて発売に至ったことで、ムコ多糖症II型患者の唯一の有効な治療法になるものと見られる。
薬価は、エラプレース点滴常注液6mgが1バイアル当たり38万5303円。
- ムコ多糖症II型治療用薬「エラプレース」‐17日付で薬価緊急収載
2007年10月15日
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