舛添要一厚生労働大臣は16日、参議院予算委員会で、アナフィラキシーショックの治療に用いる注射薬「エピペン」(エピネフリン自己注射液)の使用が、医師以外は患者か親権者に使用が限られている点について、救急救命士も使用できるようにする方向で検討していることを明らかにした。ショック状態にある患者自身では事実上使用が困難であることから、患者団体から、救急救命士の業務範囲を広げて使用できるようにするよう同省に要望が上がっていた。浜四津敏子議員(公明)の質問に答えた。
エピペンは、現在、医師以外では患者と保護者による自己注射しか認められていない。浜四津議員は、使用法も容易であることから、救急救命士による使用が可能になれば多くの命が救えると主張した。
それに対し舛添厚労相は、救急救命士の使用に前向きな姿勢を示し、「現在、総務省、消防庁と協議を進めている。早急に使用できるようにしたい」と答弁した。
「エピペン」は、ハチ毒や食物、薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療として適応があり、学校保健などの関係者からも、緊急時に使用できるよう、対応が求められている。