治験を実施する製薬企業や医療機関から国際的にみても多いとされていたGCPに基づいて作成、保存が義務づけられている、いわゆる必須文書について、厚生労働省医薬食品局は、127種類あった文書を集約するなどして60種類に整理した。治験実施上の負担軽減が狙い。
日本のGCPのもとになったICH”GCPで求められている文書数は58種類。日本ではその倍以上もあり、現場の負担も大きいのではとの声があった。
そこで局内の「治験のあり方に関する検討会」の専門作業班で、整理合理化を検討。その結果を受け、同局審査管理課は「治験に係る文書又は記録について」(かつての「必須文書」)を通知にまとめ、60種類にまで整理が可能であることを例示した。
かつては、▽記銘捺印又は署名した治験実施計画書又はそれに代わる文書▽医学専門家の氏名記録▽盲検下の治験薬の割り付けコードの開封手順書▽症例報告書の変更又は修正の手引き書””は、それぞれの文書を製薬企業、医療機関が保存しなければならなかった。
今回の通知では、「記銘捺印又は署名した治験実施計画書又はそれに代わる文書」に、他の3文書が含まれていれば、その3文書の保存までしなくてもよいという可能性があるという整理案を例示している。
通知では、「治験開始前」「治験実施中」「治験の終了又は中止・中断後」の分けて、文書の内容と保存場所を一覧にまとめ、製薬企業や当局による直接閲覧に対応できるよう、整理しておくことを指示した。