経営コンサルティングの日本エル・シー・エー(=日本LCA、京都市)が医師600人に対し、「鎮痛・抗炎症薬の認知度、処方経験実態」を調べたところ、最も良く知られ、最も処方経験の度合いが高く、最も好んで使用する薬剤は、経口剤ではいずれの評価でも「ロキソニン」(第一三共)だった。次いで「ボルタレン」(ノバルティス)で、この2剤は他剤に比べ突出して高い評価となった。
調査は、今年2月22027日にかけて鎮痛・抗炎症薬を処方する医師600人を対象に、インターネットを介して行った。主な調査項目は「医師が鎮痛・抗炎症薬としてイメージする薬剤」(認知率)、「自身が処方したことのある薬剤」(処方経験率)、「最も好んで使用する薬剤」(愛用率)。
経口剤では、認知率、処方経験率でロキソニン、ボルタレンを挙げる医師が7割以上に上り、3位以下を大きく引き離す結果となった。認知率の3位は「モービック」(第一三共)、処方経験率の3位は「ポンタール」(第一三共)だった。
一方、貼付剤では、認知率では「モーラス(パップ)」(久光製薬)、「セルタッチ」(ワイス)、「モーラステープ」の順。処方経験率では「モーラステープ」「セルタッチ」、「アドフィード」(科研製薬)の順となった。最も高い愛用率は「モーラステープ」だった。
貼付剤では、「ボルタレンテープ」(ノバルティス)が、同剤より先に発売された他剤の中にあって認知率で第5位につけ、日本LCAは「ボルタレン経口剤の薬剤ブランド資産が有効に活用されていると考えられる」と分析している。
日本LCAは、今後の動向について「今春のロキソニン貼付剤発売により、経口鎮痛・抗炎症薬のトップシェアであるロキソニン・ボルタレンの2剤が貼付剤市場に出揃うことになる。同社の調査結果からは、経口の鎮痛・抗炎症薬としてのブランド力を持つロキソニンの貼付剤も、そのブランド資産を生かし、今後貼付剤市場において健闘するのではないかと予想される」とコメントしている。