来年度の薬学部開設を目指す動きが、本紙の調べで明らかになった。既に大学設置・学校法人審議会へ諮問された兵庫医療大学(兵庫県神戸市)のほか、[1]岩手医科大学(岩手県紫波郡)[2]いわき明星大学(福島県いわき市)[3]姫路獨協大学(兵庫県姫路市)[4]安田女子大学(広島県広島市)――の4校が、薬学部の設置申請を予定している。申請通り承認されれば、2007年度には現在の67校に5校が加わって72校となり、定員も710人増えて1万3256人になる。各大学とも6年制のみの計画であり、6年制学部の薬学生定員は1万2017人に拡大する。
03年度以降の薬学部新設は、2007年度の設置予定まで含めると、5年間で26校に達する。来年度には72校となる見込みだが、そのうち3分の1以上は03年度以降の新設校だ。
就実大学と九州保健福祉大学に薬学部が開設される前の2002年と、来年4月以降で比較すると、私大6905人に国公立大を合わせて8380人だった1学年当たりの薬学部定員は、1・58倍に膨れ上がることになる。これは、03年度以降に薬学部・薬科大学が毎年新設されてきたことが最大の理由だが、同時にそれ以前から続いていた既存大学による定員枠の拡大も影響している。
一方、地鎮祭も行うなど、新設に向けて準備が進められている「つくば薬科大学」(仮称、茨城県つくば市)は、地元の市町村合併に伴う手続き等の問題から、開設申請を来年度以降に延期することとした。このほか07年度以降に薬学部の設置申請を予定しているのは、三重県の鈴鹿医療科学大学に加え、北関東地域でも2校ほどが薬学部新設を検討している模様である。