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来年度の薬価制度改革の具体策を検討している中央社会保険医療協議会の薬価専門部会は3日、医療現場では必要性が高いものの、企業側で採算がとりづらく、開発されにくい小児や希少疾病(オーファン)に対する医薬品に対し、より手厚く評価する方向で一致した。評価を手厚くすることで、開発しやすくするのが狙い。これら薬剤には現在、算定された薬価に3010%加算する仕組みがとられている。今後、加算率の引き上げで対応するのか、加算の適用要件を緩和するのかなど、具体的なルールを詰めることになる。
会合では「次期薬価制度改革主要検討事項」のうち、「採算性の乏しい医薬品の評価」を議題に取り上げ、小児やオーファンに対する医薬品の開発インセンティブの一つとなっている小児加算、市場性加算を中心に検討した。
厚労省は、現行算定ルールでは、開発インセンティブとするには「まだまだ弱い」(保険局医療課の磯部総一郎薬剤管理官)との認識。実際、同省の資料によると、小児向け医薬品の開発を促すため、学会の要望を受けて省内での審議を経た上で、製薬企業に開発要請がなされているが、承認に至ったのは潰瘍性大腸炎などに用いるアザチオプリン、アセトアミノフェンの小児用法・用量の二つしかない。
小児、オーファン扱いでも、加算の要件に他に類似薬があるものは外れることから、加算が適用されないものも少なくない。また、既承認薬で小児効能を追加した場合、薬価算定上の評価がない。
この現状に対し会合では、診療側、支払い側の双方委員は、より手厚く評価する必要性を指摘した。鈴木満委員(日本医師会常任理事)は、類似薬の有無で加算の適用が左右される加算要件に疑問を呈し、特にHIV関連薬剤に市場性加算が適用されていないケースに対し「社会的ニーズを勘案してほしい」と述べた。山本信夫委員(日本薬剤師会副会長)は、効能追加に対し薬価算定上の評価がないことに「努力を評価すべき」と指摘した。
小島茂委員(連合会生活福祉局長)は、小児薬剤、オーファンドラッグに対し「特別なアドバンテジを与えてもいいのではないか」と、議論の方向に理解を示した。
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