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厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」は9月28日、「緊急提言」をとりまとめた。提言では、製薬企業に対し、取引に関して一層の透明性確保に努めると共に、割り戻し・アローアンスの基準は薬価内示後、一次仕切価は薬価告示後に速やかに流通業者に提示することなどを求めている。また、医療機関や薬局等に対しても、早期の価格妥結を促した。同省では10月以降に行われる中央社会保険医療協議会の薬価専門部会に、この内容を報告する。
「公的保険制度下における取引信頼性を確保する観点から」という副題がつけられた緊急提言は、9つの項目と、「医療用医薬品の流通改善に当たって取引当事者が留意すべき事項」で構成されされている。提言をまとめるに当たっては、厚労省が原案を提示した前回会合での各委員の意見も踏まえ、修正された。
このうち、9つの項目では、医療用医薬品の流通におけるこれまでの取り組みや課題が提示された。特に、前回の会合で、「流通の基本である市場メカニズムが効率的かつ適切な機能するような自由かつ公正な競争が確保されるよう、取引当事者はもとより、事業者団体等においても十分留意する必要がある」という意見があったこと、さらに、薬価算定方式における調整幅のあり方や公的保険制度下における卸売業者の位置づけなど、医療保険制度、薬価制度の面から流通改善について見直す必要があるとされたことを踏まえて、提言ではそれらの課題を解決するために、「今後の議論が望まれる」とされた。
また、前回の会合で留意事項として、メーカーと卸売業者との取引に関して、「本当に守られるか懸念が払拭できない」などの意見も出されたことを踏まえ、「メーカーと卸売業者は、取引における透明性の一層の確保に努める」ことが盛り込まれたほか、卸売業者と医療機関・薬局との取引では「価格交渉は、早期妥結の観点から双方とも誠実に対応する」などの点が盛り込まれた。
さらに、取引当事者それぞれが持つべき基本認識として、「未妥結・仮納入や総価取引の改善に当たって、適正な仕切価水準の設定や割戻し・アローアンスの適切な運用など、メーカー・卸売業者間の取引の改善が求められている」ことが新たに盛り込まれた。
今回、緊急提言がまとまったことを受けて、厚労省の武田俊彦医政局経済課長は、10月の中医協薬価専門部会に報告するとの考えを示した。
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