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在阪経済団体や行政などが主催するバイオビジネスコンペJAPANの第6回本選会が17日に開催され、72件の応募総数の中から経済的な発展やベンチャーの期待が高まるものとして「ニワトリを活用した新規バイオ産業の創出」(松田治男・広島大学大学院生物圏科学研究科免疫生物学教授)と、「コケの大量高速培養技術の開発による新緑化ビジネスの創出」(村瀬治比古・大阪府立大学大学院生命環境科学研究科教授)の二つが最優秀賞に選ばれた。
ニワトリ一筋で研究を進めてきた松田氏は、1980年代にニワトリでのモノクローナル抗体の作製に成功して以来、抗体作製などの基盤技術のほとんどを確立してきた実力者。ニワトリ・ヒトキメラ抗体やヒト化抗体の生産技術も保有していることから、モノクローナル抗体生産の事業化を速やかに進めていく計画。将来的に抗体医薬生産の事業化も視野に入れている。
さらに、ニワトリの胚性幹細胞の未分化の維持に必須なLIF(ニワトリ白血病阻害因子)の発見や鶏卵特異的ベクターの開発で、鶏卵内に有用タンパク質を特異的に発現させる技術も確立。中長期的には有用タンパク質の安価な大量生産や付加価値のある健康卵の生産を展開していく考えだ。
一方、村瀬氏らのテーマは、都市緑化やヒートアイランド対策として屋上や壁面にコケを用いるというユニークな取り組み。コケの生産体制がないことから、大量高速の生産技術を開発したというもの。合弁会社の設立や業務提携を進行させているという。
武田計測先端知財団の寄附により今回から創設されたバイオ先端知賞には「VEGF受容体‐2特異的な新規血管新生因子を用いた病的血管治療薬の開発」(渋谷正史・東京大学医科学研究所教授)が選ばれた。
また東北大学加齢医学研究所教授山家智之氏の「癌に対する治療効果と蠕動機能を持つ多機能消化管ステント」のテーマは、42社の協賛企業の投票によって選ばれる協賛企業特別賞を受賞した。