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進行非小細胞肺癌患者を対象に、ゲフィチニブとドセタキセルの全生存期間を比較した第III相試験「INTEREST」の結果、ゲフィチニブの全生存期間はドセタキセルと同程度だったことが5日、韓国・ソウル市で開かれた世界肺癌学会議で発表された。全生存期間においてゲフィチニブの非劣性が示された初めての臨床試験で、ゲフィチニブの評価をめぐる議論に一石を投じる結果となりそうだ。
INTEREST試験は、治療歴のある進行非小細胞肺癌患者1466例を対象に、ゲフィチニブとドセタキセルの全生存期間を比較した大規模第III相試験。副次的評価項目ではあるものの、奏効率はゲフィチニブで9.1%と、ドセタキセルの7.6%を上回っている。また、重篤な有害事象もドセタキセルの29.4%に対し、ゲフィチニブでは22.1%と少なく、QOLの改善もゲフィチニブを投与した患者で明らかに多い結果が得られている。注目されるEGFR遺伝子の変異と生存期間との関係については、ドセタキセルと差は見られなかった。
INTEREST試験の結果を受け、共同試験責任医師のエドワード・キム氏(MDアンダーソン癌センター)は、「この大規模臨床試験により、治療歴のある非小細胞肺癌患者における分子標的治療の役割が検証された」と話している。
ただ、今回の結果は欧米人から得られたデータである。ゲフィチニブの効果が高いとされる東洋人での非劣性は、未だに証明されていないという現実は残っている。既に日本人を対象に実施された国内第III相試験では、全生存期間におけるゲフィチニブのドセタキセルに対する非劣性は認められないと結論された。この国内第III相試験については、試験デザインに問題があったとの指摘が根強いだけに、現在進行中の日本人とアジア人を対象とした国際共同試験「IPAS」の結果でゲフィチニブの非劣性を証明できるかが大きな焦点になってくると見られる。
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