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■北里研と阪大微研が製造販売
薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会は8月31日、日本では初めてとなる新型インフルエンザ(H5N1型)予防ワクチン2品目を審議、承認して差し支えないとの結論に達し、薬事分科会に報告することにした。2品目は北里研究所と阪大微生物病研究所が製造販売する製品で、いずれも医師主導治験として日本医師会治験促進センターで治験が行われたもの。国内での新型インフルエンザ発生に対応する体制の基礎ができたことになる。
新型インフルエンザワクチンは、2004年から国内4所社が、国立感染症研究所や日医治験促進センターの協力、医薬品医療機器総合機構の治験相談を受けて開発を進めてきたもの。今回の2製品は、ベトナム株を用いて作製したプレパンデミックワクチンであり、日医治験促進センターによる第II・III相臨床試験が、昨年12月までに終了していた。
2製品は、[1]沈降新型インフルエンザワクチン「北研」(北里研)[2]同「ビケン」(阪大微研)――で、いずれも有効成分は不活化新型インフルエンザウイルス。希少疾病用医薬品であり、再審査期間は10年。原体、製剤ともに劇薬で、生物由来製品に該当する。
第I相試験の結果を受け、第II・III相試験では、健常成人にワクチンを3週間間隔で2回接種し、皮下や筋肉内接種のいずれかの接種経路での安全性・有効性について,二重盲検試験が行われた。
その結果、安全性については、観察された副反応は第I相試験と同様、その大部分が注射部位に発現する局所反応(発赤、腫脹、疼痛、熱感等)で、忍容性には問題がなかったという。また有効性に関しても、第I相試験で得られた成績と同様の傾向を示す結果が得られている。
また第2部会では、グラクソ・スミスクラインが製造販売を予定している「アラノンG静注用250mg(アラノンジー静注用250mgに変更予定)」も審議され、承認して差し支えないとの結論に達し、薬事分科会に報告することになった。
同製品の成分名はネララビン。再発性または難治性のT細胞急性リンパ性白血病、再発または難治性のT細胞リンパ芽球性リンパ腫を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品の指定を受けて開発され、再審査期間は10年。原体、製剤ともに劇薬。承認条件として全例調査が付された。海外での承認状況は、米国で2005年に承認されている。
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