スウェーデンの小児科専門バイオテクノロジー企業バイオガイア社(本社ストックホルム市)の日本法人である、バイオガイアジャパン(東京港区)は、世界85カ国・地域の医療機関、薬局で販売され、乳幼児の夜泣き対策サプリメントでは世界トップシェアの「バイオガイアチャイルドヘルス」を、今春から全国発売する。このほどアルフレッサヘルスケア(東京中央区)と、日本国内における独占総代理店契約を締結。先月から既にベビー専門店アカチャンホンポで先行発売を行っており、4月1日から順次、全国の小児科医院、ドラッグストア、薬局・薬店に販路を拡大していく。
バイオガイア社は、1990年にスウェーデンで設立されたバイオテクノロジー企業で、人の体内に常在する「人体常在菌」と様々な疾病の因果関係に注目し、ノーベル医学・生理学賞の審査本部としても著名なカロリンスカ研究所を筆頭に、世界各国の医療機関・医科大学と連携した研究開発を進めてきた。
この結果、人体常在菌の“菌質改善”によって疾病の予防や治療補完を行う先端医療技術「バクテリアセラピー(学術名Bacteriotherapy)」の臨床実用化に成功し、現在では世界80以上の国と地域の医療機関に採用・導入されている。
日本でも常に育児の悩みのトップに挙げられる「夜泣き」だが、女性の社会進出率が著しく高いスウェーデンでは早くから、夜泣きに対する有効な対策が望まれていた。そこでバイオガイア社では、カロリンスカ医科大学とイタリアの小児科病院と共同研究を進めた結果、激しい夜泣きの原因は乳児期の腸内細菌のバランス不全による「乳児疝痛(激しい腹痛)」が原因であることを突き止めた。
そしてその対策として、母乳由来で初乳に含まれ、乳児が摂取する乳酸菌「ロイテリ菌」(ラクトバチルス・ロイテリ)を赤ちゃんに一定量与えることで、それまで1日平均3時間以上泣いていた乳児の夜泣きが、95%以上のケースで1日平均50分以下にまで減少することを発見した。同発見は、小児科学術誌として最高権威を誇る「ペディアトリックス」に掲載されたほか、米国3大ネットワークのABCニュースも大々的に報じている。
ロイテリ菌には健康増進効果と科学的根拠に基づいた病原菌からの防御作用があり、免疫防御機能の強化作用がある。さらには、ロイテリ菌以外のプロバイオティクスや医薬品では、同様の効果は確認できなかったという。バイオガイア社では、ロイテリ菌およびその菌株の国際特許を取得。乳児にも与えやすい液体タイプのサプリメントとして現在、世界85の国と地域の医療機関に臨床採用されていると共に、薬局・薬店でも販売されている。
日本でも薬局、Dgsルートに期待
先頃、スウェーデン大使館内で行われた発表会で、バイオガイアジャパンの野村慶太郎社長は「赤ちゃんの夜泣きは、世界共通の親の悩みといえる。数多くの研究から、その原因は激しい腹痛の可能性が極めて高いことを示唆しており、ロイテリ菌の投与で画期的な効果が実証されている。『チャイルドヘルス』は、米国FDAの安全認証(GRAS)も取得しており、その安全性と有効性が高く評価された世界的な乳児用プロバイオティクスサプリメントで、特にフランス、ドイツ、スウェーデンなどでは年間出生数の2~3倍も出荷されている。同品により、1人でも多くの日本の赤ちゃんと両親が、夜泣きのストレスから解放されることを願っている」と強調した。
一方、アルフレッサヘルスケアの勝木尚社長は「バイオガイアとは、2年前に医科領域における戦略的パートナーシップに合意し、先行して『バイオブレス』という商品を発売したが、推奨してくれる歯科医院や、商品の良さを分かってくれる小売企業で扱ってもらっている。今回の『チャイルドヘルス』についても同様に、本当にいい商品であることから、広く得意先にPRしていくと共に、着実に日本で根づかせていきたい」と期待を述べた。
「チャイルドヘルスベビー」(乳酸菌含有食品)の使用方法は、[1]スプーンで直接飲ませる[2]体温以下の離乳食(飲食物)に滴下する[3]哺乳瓶に滴下する[4]乳房に塗布して授乳する──のいずれかの方法で、1日5滴(目安量)を赤ちゃんに与える(5滴に約1億個のロイテリ菌が含まれる)。税別希望小売価格は、5mL2800円。