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第53回北海道薬学大会が13、14の両日、札幌市の札幌市教育文化会館で開かれた。大会では、シンポジウムで「後発医薬品変更可」処方せんへの対応が取り上げられ、まだスタート間もない後発品調剤に暗中模索している実態が浮き彫りになったものの、大きな追い風の中で、薬剤師の果たす最大の役割は安全確保であることが確認された。
特別講演した日本薬剤師会理事の安部好弘氏は、後発品使用に対する薬剤師の役割として、地域・患者の要望に応じた備蓄、適切な情報提供・選択のアドバイス、監視・モニタリング等を行うことだとした。その上で、現場が混乱している現状に理解を示しながらも、「説明に時間がかかるし、在庫管理も大変だと思うが、そこに気を取られて本来の調剤の安全性に関わる部分がおろそかになってはいけない」と訴えた。
また安部氏は、医療機関への情報提供が課題であると指摘。実際、現段階では情報提供の方法、手段については取り決めがないことから、医師約50名を対象に銘柄情報提供の希望を尋ねる調査を行っている。それによると、20%が投薬と同時、34%が投薬当日中、37%が次回来院時に情報提供を希望していることが分かった。安部氏は「まだこの状況では、電話、文書、FAX、薬手帳等、どの方法が良いか一概には言えない」と述べ、今後の検討課題とした。