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厚生労働省統計情報部が24日に発表した2005年度「国民医療費」によると、前年度より1兆0178億円(3・2%)増加し、33兆1289億円となった。04年度は診療報酬改定が行われたが、05年度は改定がなく、前年よりも大きな伸びを示した形だ。また、薬局調剤医療費は4兆5608億円となり、国民医療費に占める割合も13・8%と過去最高をさらに更新すると共に、伸び率も8・8%増だった。
経済回復基調の中、国民所得は367兆円強と前年度より1・3%増加した。国民医療費は04年度の診療報酬改定が±0%だったが、05年度は改定がなく、この結果、国民所得に占める国民医療費の割合は9・01%と上昇、前年度に引き続き過去最高を更新すると共に、初めて9%台に達した。国民1人当たり医療費は、04年度より3・1%増の25万9300円となった。
診療種類別の使われ方をみると、入院・外来など「一般診療」に24兆9677億円(対前年度比2・5%増)。内訳は入院医療費が12兆1178億円(2・3%増)、外来医療費は12兆8499億円(2・7%増)となっている。
そうした中、薬局調剤医療費は2年連続で4兆円台に達した。国民医療費に占める割合13・8%も過去最高である。ただ、医薬分業の進展・普及を背景に、調剤医療費は二桁台の伸びが続いていたのだが、04年度の伸び率は7・8%と一桁台にとどまり、今回も前年度の伸び率を1ポイント上回ったものの一桁台に留まるなど、伸び率に鈍化傾向もみられている。また、歯科診療医療費は、1・5%増の2兆5766億円。歯科診療医療費と薬局調剤医療費との開きはさらに拡大し、2兆円近い差がついた。
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