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厚生労働省医薬食品局審査管理課は、一般用漢方製剤の承認審査内規で定められた処方210規格について、初めての見直し作業を進めている。年度内をメドに、見直しが終了した分から段階的に結果を通知していく方針。見直しは処方を追加した上、効能効果の表現を一般向けに分かりやすく改めるもの。処方追加後は、類似処方をグループ化して一処方と見なすため、収載される処方数は従来と同じ210になる見通しだ。
一般用漢方製剤については、1972年から74年にかけて公表された一般用漢方製剤承認審査内規に210処方が収載されており、内規に記載された処方であれば、規格と安定性のデータのみで承認が受けられる。
1998年の厚生科学研究報告で処方の見直しが提言された経緯もあり、03年度から05年度まで行われた厚生労働科学研究「一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保に関する研究」において、見直しに向けての具体的な検討が行われた。06年3月には研究班の報告書がまとめられ、それを踏まえて見直しが進められるもの。
今回の見直し作業は、▽疾病構造の変化に対応した処方の追加及び削除▽「証」(患者の体質等)による制限を設けていない処方について、必要に応じて明確化▽効能効果について、現代に即した表現等への変更・追加▽漢方処方中の生薬の分量等について分かりやすく表示――等の観点で行われる。
なお、追加された処方は、薬事・食品衛生審議会の一般用医薬品部会に諮る予定である。
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